編著者:高遠 健司
技術士 電気電子部門(情報通信)
博士(工学)
A4判・約80頁
定価:3,000円(税込)+送料
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このボタンをクリックすると『[改訂新版]技術士第二次試験新試験のための新しい合格論文の構成と表現法−コンピテンシー評価対応、見ばえ・内容・テクニック−』が買い物カゴに入ります。
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●本書の内容と特長(「はじめに」より)
この本は技術士二次試験を受験し、残念な結果になった人を想定している。初めて二次試験を受験する人で、4月になって願書を提出してからようやく筆記試験の対策を始めるような人に本書は勧めない。技術士二次試験は、3ケ月程度の準備でなんとかなる試験ではないからである。
技術士の二次試験の最大の難関は何と言っても筆記試験である。筆記試験の解答論文の書き方については、数多く市販された文献がある。ただし私の思うところは、論文の書き方以前に、どういう心構えで、何をすべきか、また何をしてはならないか、二次試験の実体をどのように考えなければならないかについては、あまり書かれていないように思われる。この本で述べることは、全て私の経験をもとにしている。内容的に賛成しがたい部分もあると思うし、他の講師・先輩技術士は違うことをアドバイスされるかもしれない。それについてはなぜそのように考えたかを述べるので、同意するか否かはそれぞれ判断願いたい。異なる意見に対してそれらの真意を理解し、自分なりにどちらに同意するか、さらに独自の意見をもつかは技術士として必要な力であると思う。
本書の前に、「技術士試験に合格するキーワード集の作り方と高得点論文作成法」を執筆した。「キーワード集の作り方」で必要なノウハウは全て書いたつもりであったが、添削を行っているうちに、不足を感じた。そこで前書を改版したのだが、それでも足りないと感じて本書を執筆した。従って本書の一部は「キーワード集の作り方」の後半の「高得点論文作成法」の一部と重複する部分があるがご容赦願いたい。大事な事は何回も言い続けないと、理解されないからである。
2019年の試験から、コンピテンシーで評価するということになった。コンピテンシーについて、試験のどの部分で、コンピテンシーとして提示された各項目のどれが対応するかについて私見を述べる。今回のコンピテンシーで私が注目したことは、コンピテンシーの中にコミュニケーションとあり、その中に文書と口頭によるものと記載がある。この文書によるものとは、筆記試験を指し、文章で技術内容や提案をいかに伝えることができるかを試験しているものと分かる。これまで私は添削をしていて、採点者は時間が無いから、読みやすい論文を書くことが必要である、文書書式が大切であると指導してきた。今回コンピテンシーとして文書によるコミュニケーションと明記された。このことは、受験テクニックとして採点者に分かるようにと言うのでzはなく、採点者の先にはあなたが技術士となった時の顧客が居ることを示していると思う。顧客に対しても文書だけで十分な説明や提案が出来ることが要求されているという事が、コンピテンシーとして明記されたと思う。「あの人の技術はすごい。でも説明・文章は下手だ。」では技術士にはなれないのである。
改版にあたり:本書は2019年から二次筆記試験の変更でコンピテンシーにより評価するという趣旨を考察し、2019年2月に初版を出版した。
ところが実際に7月の二次試験の設問は、私の予想を超える変更がなされていた。
そこで、2020年以降も同様の出題形式が継続すると考え、6章の「コンピテンシーとは」に、「T必須科目の設問にみるコンピテンシーを問う出題形式」を追加し、2019年度に変更された出題方法を分析し、対処方法について記載した。正直言って、今回の変更で解答論文の作成は難しくなっていると感じたが、出題方法が分かれば、それなりの対応策は立てられると思う。また11章に、受験者各位の励みになるような付録を追加した。
設問が難しくなったからと言って、合格しない試験はない。各位の健闘を祈りたい。
2019年8月20日記
再改版にあたり:2019年度の実際の筆記試験から、毎年、出題の方法が少しずつ変わっていった部分もある。ある意味では、2019年度の試験よりも簡単になった部分もある。2019年度の設問をそのまま読むと、非常にたくさんの事を書かないとダメという印象であったから、徐々に適当な記述量に変化したと思われる。
今回、本書の前段であるキーワード集([新版]技術士第二次試験に合格するキーワード集の作り方と高得点論文作成法)の作り方のテキストを改版した。それに合わせて本書も同等の部分を合わせて改版することにした。本書とキーワード集では、文書作成の方法などは同じであることは最初から述べている。大事なことは、何回も、例えば違った言い方で説明しないと理解されないからである。
2022年度のトピックとして、図や表の中の文字数が制限されるようになった。そこで、「7.守るべきルールとそうでないもの ・図・表の中の文字」を修正した。
2022年8月11日記
図・表の中の文字に関するルールが変更になったので、「7.守るべきルールとそうでないもの ・図・表の中の文字」を再度修正した。
2023年8月3日記
●目次
- 1.はじめに
- ・技術士らしさ
- ・さまざまな受験者たち
- 2.二次筆記試験の実体を見直す
- ・合格の基準が60点ということ
- ・二次試験は相対評価である
- ・二次試験は無記名、記述内容が全て
- ・手書きは怖い、手書きは無くならない
- ・採点者は時間がない
- 3.失敗の理由を明らかにする
- ・2回、3回の受験は当たり前、ただし…
- ・運が悪かった?
- ・同じ事の繰り返しでは評価は下がる
- ・大昔の経験談は役に立たない
- ・設問を読まないで解答を書いている
- ・ポイントのずれた自分勝手な解答
- ・読めない文字
- 4.添削で目指すべきこと
- ・自分の理想となる論文の書き方をマスター
- ・自分の癖、間違いは自分では分からない
- ・黒い論文(反面教師)の理解
- ・スクーリングの利用
- ・スクーリングはペースメーカ
- ・キーワード集は自分でつくらないと意味がない
- ・先輩技術士、講師、それぞれ違う事を言われる
- ・T型、Π型の技術者を目指す
- 5.見栄えと内容
- ・定義:大・中・小項目、題名、小題、採番
- ・採点者の視点(推測)
- ・見栄えと合否の関係
- ・レイアウトとストーリー
- ・読んでもらえる記述のレベル
- ・図・表・箇条書きの効果とリスク
- ・省略の上手下手
- ・見栄えのしない書き方
- ○小題と同じ文書を本文で繰り返して書いている。
- ○小題が短く、内容が薄い。その結果右側に空白が目立つ。
- ○採番の文字が大きく、左側の空白が目立つ。
- ○黒い論文であり採番も小題も無い。
- ○図も表も無く、文章を全て読まなければならない。
- ○接続詞が多過ぎる。
- ○接続詞の使い方がまずい。
- ○一文字だけの折り返し。
- ○最初から箇条書き、文章が無い。
- ○ページの最後で大項目が始まる。
- ○誤字・脱字
- ○長ったらしい文章
- ○同じことばの繰り返し。(大事である、重要である。問題であるetc)
- ○口語すぎる文章
- ○何を言いたいのか分からない図
- ○技術用語が全くない文章
- ○自己採点
- 6.コンピテンシーとは
- 技術士に求められる資質能力(コンピテンシー) 日本技術士会のHPより転記
- ・キーワードで示す技術力
- ・根本的な技術力・知識の不足
- ・何を解決策とすれば良いか
- ・筆者の事例
- ・受験申込書での提案との共通点
- ・社会的な課題への自分なりの理解
- ・相反する問題へのエンジニアリング
- ・I 必須科目の設問にみるコンピテンシーを問う出題形式
- 7.守るべきルールとそうでないもの
- ・原則と例外および暗黙知
- ・図・表の中の文字
- 8.キーワード100件と600字 300枚の意味
- ・手が覚えるまで練習
- ・キーワードは100件必要である
- ・丸暗記はダメ
- ・イメージから文章が完結する
- 9.テクニック
- ・問題文にマーキングをする
- ・問題文からキーワードをピックアップ
- ・始めの5分(1ページあたり)で書くべき全てが決まる
- ・問題用紙の欄外にストーリーとレイアウトを書く
- ・手はプリンターに徹する
- ・出題の典型的なパターンを知る
- ・ストーリーは後ろから作る
- 10.終わりに
- ・技術士試験とは技術士であることを証明する試験
- ・技術士受験と資格で得られるもの
- 11.付録
- ・知れば知る程、知らないということを実感する
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