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2026.04【特集記事】

技術士試験合格の鍵はリスクコミュニケーション!!

第1章 技術士試験のキーコンセプトはリスクコミュニケーションにあり!!

 

ロジャー・E・カスパーソンは「リスクの学習は、孤立した個人で行われるのではなく、社会的な力学、複数の情報源、情報の流通経路、確証的かつ困難なメカニズム、他の社会的問題との関連において行われるものである」と語っています。

プロジェクトリーダーである技術者は、業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。つまりリスクコミュニケーションを進めることです。

技術士試験も、下のマトリックス表を見てもわかるようにコミュニケーションがベースになっています。そしてここで言うコンピテンシーのコミュニケーションは、的確表現という言葉でコメントされている「リスクコミュニケーション」のことです。

試験科目別確認項目

つまり、あらゆるコンピテンシーの基盤にリスクコミュニケーションがあるということを忘れないようにしましょう。

a.コミュニケーションの留意点はインフォームドコンセント

  • 病院などの医療機関で、手術や特殊な検査・治療を受ける際、医師から詳しい病状、治療方法の選択肢とリスクの説明を受け、内容を理解・同意した上で、医療行為を受けた経験があると思います。これをインフォームドコンセント(Informed Consent)、十分な情報を得た上での合意と言います。合意するか否かは、もちろん本人の自由です。重要なのは、必要な説明を聞き十分に納得した上で、自分で判断する説明責任を受け入れることです。
  • 説明の内容としては、対象となる行為の名称・内容・期待されている結果のみではなく、代替治療、副作用や成功率、費用、予後までも含んだ正確な情報が与えることが望まれます。
  • また、患者・被験者側も納得するまで質問や説明も求めます。これは医療倫理から派生した概念であり、患者の権利の一つともされています。

b.コミュニケーションは知る権利に対する説明責任

  • 技術者のコミュニケーションインフォームドコンセントが必要です。製品・サービスの提供を受ける消費者は、知る権利に対する意識を高めつつあります。しかし多くの場合、消費者は技術者が開発した製品の安全性を特に疑うことなく購入し、使用しています。これらの製品に欠陥があり、自分に損害をもたらす可能性があっても、消費者にはそれを予見する知識、また防ぐ知識や技能もありません。

技術者が重視すべきコミュニケーション能力は段階責任です。

◎リスクコミュニケーションは5段階で進める

  • リスクコミュニケーションを進めるには、次の5段階で実施します。
  • 企業・技術者は、リスクについての利害関係者(ステークホルダー)に情報を伝える
  • 企業・技術者、利害関係者(ステークホルダー)は、互いに意見の交換をする
  • 企業・技術者、利害関係者(ステークホルダー)は、リスクについて相互の理解を深める
  • 企業・技術者、利害関係者(ステークホルダー)の間で責任を共有する
  • 企業・技術者、利害関係者(ステークホルダー)の間で信頼を構築する

これを理解しておくと、各問題に対する解答も大きな指針を持つことになります。つまり、ステークホルダーの知る権利に対してプロジェクトリーダーやリスクコミュニケーターは開始時の説明責任(リスポンスビリティ)や終了時の結果説明責任(アカウンタビリティ)を持つことができるようになります。



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