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2023.01【特集記事】

技術士が国際的に通用するPE
(プロフェッショナル・エンジニア)になる!!

第1章 技術者のキャリア形成過程と技術士資格の位置づけ

 

1−1.技術者のキャリア形成スキーム

多くの技術者が、キャリア形成過程において、実務経験を積み重ねて、専門的学識を深め、豊かな創造性を持って、複合的な問題を解決できる技術者になるために、技術士資格の取得を通じて、これらの資質向上を図ることが重要です。
さらに、国際的な環境の変化に対応し、国内のみならず、海外で活躍する技術者(グローバルエンジニア)が増加していることから、我が国の技術者が、国際的にその資質能力を適切に評価されることが重要です。この観点から、国際エンジニアリング連合(IEA)におけるエンジニアリング人材に関する国際的な枠組みを踏まえ、技術士の国際的通用性を確保することが非常に重要になってきています。
技術者のキャリア形成過程における技術士資格の位置付けは、産業界のあらゆる業種に対して、年齢や実務経験等に伴って、民間企業等の技術者に求められる技術者像、業務の性格・内容、業務上の立場、責任や権限、能力等に加え、関連業種にかかる技術士の活用状況等についてヒアリングの結果を踏まえて、技術者の生涯を通じたキャリア形成の観点から、各段階に応じた技術者像等を以下の通りコアスキームとして例示しました。(1−1〜1−4の記事は平成26年度以降の技術士分科会の資料を参考にしてまとめました。)

【ステージ1】
技術者を目指す者は、高等教育機関を卒業した時点で、専門の技術分野に関して一定の基礎的学識を有し、技術者としてのキャリアをスタートする。このステージは、IEAの「卒業生として身に付けるべき知識・能力」(GA:Graduate Attributes)を満たす段階であり、日本技術者教育認定機構(JABEE)認定課程の修了又は技術士第一次試験の合格がこれに当たる。
このことから、第一次試験を受験する者は、高等教育機関等の卒業と近い時期に合格した上でこれ以降のステージに進んでいくことが望ましいといえる。

【ステージ2】
ステージ1を経て、技術士(プロフェッショナルエンジニア)となるための初期の能力開発(IPD:Initial Professional Development)を行う期間である。基礎的学識に加え、実務経験、自己研さんを通じて専門職としての資質能力を備えるための段階である。期間としては、4〜7年程度の経験を積んだ上で技術士資格の取得を目指すことが望ましい。

【ステージ3】
専門の技術分野に関して専門的学識及び高等の専門的応用能力を有し、かつ、豊かな創造性を持って複合的な問題を発見して解決できる技術者として、この段階で、技術士第二次試験を受験し、技術士資格を取得することが望ましい。

【ステージ4、ステージ5】
技術士資格の取得後、継続研さん(CPD:Continuing Professional Development)や実務経験を通じて技術士としての資質能力を向上させ、自己の判断で業務を遂行することができる段階である。更に国内のみならず国際的にも通用する技術者となる段階である。


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