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2021.09【特集記事】

2021年度新しい技術士第二次試験口頭試験合格のポイント

技術士試験対策講座 代表幹事 田淵一光    
 

(1) 試問事項

2019年度以降より口頭試験は、コンピテンシーの確認にウエイトがシフトされました。

口頭試験の内容(総合技術監理部門は変更なし)
表1

表2

アンケート調査では延長事例は、10%程度以下です。しかも、数分の延長です。5分を超える延長はありませんでした。ほとんどの試験官が、時間を厳守しています。

●新制度の特徴

コンピテンシー審査になり、試問内容が大きく変わりました。従来は、経歴欄で「技術士にふさわしい業務」を確認する。業務内容の詳細欄で「高等の応用能力(創意工夫による課題対策)」確認する。この2つを審査してきました。しかも、口頭試験不合格者の大半は、業務内容の詳細で応用能力が確認できないケースでした。

新制度では、次の4つのコンピテンシーについて直接試問しています。従来の審査方法が一新されました。

① コミュニケーション、リーダーシップ
② 評価、マネジメント
③ 技術者倫理:
④ 継続研さん

表3

(2) 新制度の口頭試験の実際

a. 口頭試験の流れ

コンピテンシー審査に変わりました。全部門、全科目でコンピテンシー審査が周知徹底されています。上記の①〜④の試問事項にそって、順に試問しています。
令和元年では、「業務経歴証明書」の内容を事前に読んで、4つのケースがあります。


(3) 4つの試問事項の具体的な質問内容

全部門・科目で、4つの試問事項について、同じような質問をしています。おそらく、試問事項の目的と標準書が試験官に配布されているのではないか、と想定します。
令和元年度の114名の口頭試験事例から、4つの代表的な質問内容を列記したものを「6章の申込書の書き方」に示しました。


(4) 新制度の口頭試験の所見

a. コンピテンシー審査を意識して実務経験証明書を書く

①コミュニケーション、リーダーシップと②評価、マネジメントは、コンピテンシーの視点から試問する。
このため、申込書の「実務経験証明書」の記載に当たって、具体的な試問内容を頭にいれて記述すると良いでしょう。できれば、試問内容が「業務内容の詳細」から読みとれると完璧です。
旧制度では、創意工夫の内容を意識して「業務内容の詳細」を述べていました。新制度では、与えられた課題に対し、下記を意識して、4つのプロセス管理のような感覚で述べてください。
円滑な口頭試験の流れとなることを約束します。

  • 課題解決に当たり、どのような目的で、だれと意思の疎通を図ったか(コミュニケーション)
  • 誰とどのような利害関係の調整を図ったか(リーダシップ)
  • 創意工夫によるコストの低減、工期の短縮、品質保証などを明確に示す(マネジメント)
  • 得られた成果に関し、次工程や別の業務に資することを明言する(評価)

b. 技術者倫理、継続研鑽は従来どおりの試問からコンピテンシーに変わる

③技術者倫理、④継続研さんは、旧制度と試問内容は変わりません。
令和元年度は、旧制度のような「技術士倫理綱領」に関する試問が主体です。しかし、コンピテンシー審査に慣れてくると、「関連法規の遵守」、「自らの業務及び責任範囲」、「地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保」に関連する質問が増えると想定します。

  • 技術者倫理の中の、「業務履行上の関係法令の遵守」に関連する質問
    (業務に関連する関係法規の遵守もチェックして、口頭試験に臨んでください。)
  • 自身の業務について、責任範囲が明確に説明できるようにしましょう。
  • 自身の業務について、「次世代に渡る社会の持続性の確保」が具体的に説明できるようにしましょう。

(5) 総合技術監理は変更なし

総合技術監理は従来どおり、①体系的専門知識と②経歴及び応用能力の審査が行われます。

★従来の口頭試験とは、全く異なる内容です

技術部門、総合技術監理部門それぞれの口頭試験チェックシートの例を示します。従来とは全く異なる試験であることがよくわかると思います。

このため、筆記試験合格時は、「技術士第二次試験口頭試験完全合格対策講座」をご受講され、合格を確実にしてください。

表4


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